くろねこくぅまんの乳がんになったので

浸潤性小葉がんになりました。手術の事とか生活の事とか残していこうと思います。誰かの「気づき」になればいいな。

乳房再建を受けると言う事✉手術の前に意思を伝えておこう

先日、上皇后さまの乳がん報道を耳にしてショックをうけています。

早期での発見とのことなので少し安心しましたが、やはり心配せずにはいられません。お大事にしてほしいと願います。

 

 

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意思を伝える事

 

先日 トイレで突然思いついたんです。

「そっかぁ~」

無意識にそう自分の口から出てきたんです。

 

主治医だった彼が私に有茎腹直筋皮弁(TRAM flap)を

進めてきていたこと。

有茎腹直筋皮弁とは血流を保ったまま移植できるので、壊死の可能性が

ほぼありません。しかし、腹筋の片側を犠牲にしなくてはいけません。 

私はその術式に疑問があったので拒否

 

私の性格をみぬいていたからなのか?

もし、遊離皮弁で失敗してたら、私の事だから立ち直れずに家族や医師、看護師も気を使っていただろうな。医師達がポジティブな事しか言わないのも作戦の一つなんだなきっと。

 

入院前の外来で手術の説明を受けたとき、遊離皮弁で壊死が生じた場合に次はどうするかを考えさせられる。医師に意思を伝える必要を迫られる。イシニイシ( ̄m ̄〃)ぷぷっ!

(当時は考えたくもなかったが今思うとありがたいし、重要な事

自分の場合 腹部皮弁(DIEP flap)でダメだったら広背筋皮弁となっていた。 

広背筋皮弁は筋肉で血流を保ちながら移植するから失敗はまずない。ただ、健康な反対側の胸の大きさに合わせるには組織が足らず左右のバランスが崩れる。

 

退院して数日たったころ家族が教えてくれた。

術後説明で執刀医が「2日様子をみて血栓ができたり、組織の脱落を確認したら再手術をおこないます。いいですね?」と言われていたと。

もし、次はどうするかを考えていなかったら、当時の私は麻酔(痛み止め)で3,4日もうろうとしていて、正常な判断ができなかったかもしれない。それに失敗したなんて知ったら何も考えられなくなっていただろうなと思う。

 

そんな状態で、家族に意思決定をゆだねるのは少し怖いと思った。

生死に関しても本人の意識がなければ最終的には家族に決定権がゆだねられるわけだが、乳房再建はその後の未来は自分の人生なのだ。

私の体は私の体として残りの寿命を過ごすのだ。

負った体の傷も心の傷も。

 

そこで勝手に家族が「本人がかわいそうなのでもう再建はしない」とか「インプラントでいいです」とか勝手に決められていたらと思うと…。

 

ガン治療も家族や周りの皆さんの支えが必要不可欠だったが、乳房再建後の私も普通の生活に戻るのにはもう少し時間を要すると思う。

まだまだ家族の支えが必要だ。

医師にはもちろんだが、自分を支えてくれる身近な人には再建に対しての自分の考えや意思を伝えておくべきだと思った。

急を要する事態になった時に決断を他者に委ねても、医師や家族の意見が一致していればそれは私の意思だからだ。

 

自分の人生なのに自分だけの人生ではない

と言う事だ。

 

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恥ずかしい話だが、心配性の私は

ガン切除の手術の時も、再建手術の時も家族や知人宛に手紙を書いていた。遺書と思われるようなもの(笑)

乳房再建は内臓をいじるわけではないので、そう簡単には死なないけれど心配性の私は書かずにはいられなかった (/ω\)💦 

自分がいなくなった時の私物の処分とか、銀行口座や携帯の暗証番号とか生命保険の事とか、連絡してほしい友人とか (爆笑) こっそり手帳に挟んでいた。

それなのに、遊離皮弁で失敗したら次はどうするという考えは書いていなかった。

結果的には不要な心配ではあったが準備の観点から言うとミスだな。

 

 

 

私にとっての胸とは:幼い時の記憶

 

乳がんだとわかって、胸がなくなると感じたとき

嫌すぎて泣いた。

 

小さいころ祖母と祖母の友人数名と温泉旅行に出かけ事があった。

祖母の友人の一人の胸が片側ごっそりなかった。

小柄で細身のおばちゃんの胸があばらがくっきりわかるくらいで痛々しかった。

当時の私には衝撃だったのだろう今でもよく覚えているのだから。

私の視線に気が付いたのか祖母の友人は隠すこともなく「病気をしておっぱい取っちゃったの。生きていられるだけで儲けもの」と言った。

それに合わせて祖母も「そうそう命があるだけで有難い」と話していた。

きっと乳がんだったのではないかと思う。

 

当時ではまだ乳房再建なんて技術はなくて、まして最小限でガンを切除なんて考えもなかったのかもしれない。どこまで浸潤していたガンなのかはわからないが…。

胸のガンなんてゴッソリ切除が当たり前だったのではないだろうか。

それに「命が助かればそれでイイ」と完結されていた時代だったのだろう。

 

この時の記憶が影響していたのかどうかは分からないけど、『乳がんだけはなりたくない』 と思っていた。

おっぱいを取るのはのは嫌だ 取るぐらいだったらガンで死ぬと本気で思っていた。

祖母達の言う「命があればイイ」の精神はどこへ行ったのか?

私には芽生えていなかったらしい。

 

そんな私が乳がん治療を決意したのは簡単ではなかったけど、家族と友人と医師の説得の力だ。みんな「命が大切」と言う

プラス「今の時代は再建できるんだよ」「なくなっても作れるんだよ」

と再建を進めてくれた。

再建に興味を持った私は調べた。ネットや本や経験者の話。その中で一次一期再建がイイ!と治療に前向きになった。失ったらすぐに取り戻せる!とワクワクできた。

しかし、聖マリアンナ医科大学病院で治療を希望した私には、一次一期再建は適さないと医師は却下。

病院を変えていたら一次一期再建で再建できていたかもしれないが、転院と言う考えがなかった私の心は、また振り出しに戻っていた。

そんな私への後押しになったのは医師の「エキスパンダーを胸に埋めれば若干だけどふくらみはできるから」と言う言葉。その言葉を信じた。

一次二期再建を受け入れたのだ。

乳がん切除後は、胸にエキスパンダー50mlの水が入っている状態で埋め込まれ、ささやかながら膨らみがあって私の喪失感を埋めるには十分だった

外来に行くたびに大きくなる胸に最後はデカすぎて邪魔だと思うくらいだった。

乳腺外科の医師の手術痕もきれいで、再建の際同じ傷口使って手術を進めると聞いたとき、もったいないと思ったほどだった。

今思い返しても乳腺外科の医師の意見を聞き入れてよかったと思う。

‘胸を失った時と同時に取り戻す”と息巻いた考えのままだったら、ガン切除後に抗がん剤治療が必要となった私には、再建術後のしんどい体のままガン治療をスタートさせなくてないけなかったかもしれないし、まじめにがん治療を受けていたかも疑問だ。

私には一次二期再建でよかったのだと思っている。

 

乳房再建を受ける!と言う事が大前提で進められてきた私の乳がん生活だが、だからこそ再建してよかったのか?って事なのですよ。

 

結論から言えば「よかったhappy」です。

 

だけど、なぜ自家組織再建で乳房再建を受けたかったのか?って事ですよ。

1週間のベッド上安静しんどくない事はありません。

(病院によって安静期間は違うようです)

今も声は回復してませんし、腹部はピリピリつっぱるし、水平に寝られないし、入浴だってシャワーだけだし、(病院によって入浴を控えてと言われる期間は違います)

1人で買い物だってろくにできないし。家事だって…。

 

それでも胸は欲しかったのか?自家組織再建で良かったのか?って事ですよ。

 

うーん(~_~)

胸がないと言う事は考えられないから、乳房再建は私には必要な事だったと思う。

乳房再建手術を受ける前はインプラントでも良かったかもしれないと思った。

だってもう片方の胸もガンになるかもしれないし(小葉癌は反対側の発症率が高い)、体への負担も軽減できるし、壊死への恐怖を感じることもないし、家族への負担だって減らせる。

だけど、やっぱり自家組織に賭けてみたかった。

 

じゃぁ なぜ賭けてみたかったの?

 

自分の身体を自分の身体で作り直す

現代のできる技術を体験してみたかった。

 

正直、まだ胸ができた喜びの実感がなくて、自分でも不思議なくらいです。

エキスパンダーが入ってる時みたいな感じ。

乳輪乳頭が無いからかなぁ?

時間が経って、体も回復して不自由もなくなり、身体のあちこちの傷跡が癒えて、再建した胸の脂肪も柔らかくなって胸らしくなったら本当の意味での「感動や喜び」を感じられるのではないかと思う

そうであって欲しい。

それまでは、自分の身体を観察の対象として観察日記をつけて行こうと思う。

 

 

医療技術と医療制度

 

命があれば胸なんかなくていい

ガン治療だけで精一杯

今はなにも考えられない

と再建を後回しや希望しない人もいる

すぐに再建できる人もいる

ガン治療を終えてから再建を希望する人もいる

 

乳ガン治療も進め方は十人十色で乳房再建術も選択肢が複数ある。

再建する時期もその人に合ったペースがある。

それを判断できるのは自分の考えや知識だけではベストは得られない。

生活の事家族の事も長期的に考える必要がある。なにより医師とのコミュニケーションが大事だ。

それと、治療を受ける病院の考え方。病院選びも重要だと思う。

 

ガン治療には標準治療と言うものがあって

ガンのパターンによって治療が進められ保険適応で治療が受けられる。

乳房再建も保険適応の医療行為だ。美容整形ではない。

(私は抗がん剤治療中は月約5万円くらいを6ヵ月程度。1度の手術+入院費で約32万。過去記事でも検査費用など、費用の事に触れてますので興味のある方は参照ください)

 

今は遺伝子を用いての治療や、薬も個人の病状によって選択され、より治癒力効果の期待ができる。保険適応外の治療もあるみたいだけど、医療は進化し続けている。

将来的には自分の細胞をバイオして移植する技術が確立されて、体への負担が少なく治療が受けられるようになってるかもしれない。

 

今この時代に惜しくも乳がんになって治療を考えている人には、その時代で自分にあったベストの治療を受けられればと願っています。

その為には病に前向きに向き合って、治療方法を自分なりに理解する必要があると考えます。

 

 

 再建方法の参考はこちら↓

〇次〇期について説明してます。

乳房再建にも向き不向きがあります。自分の希望を実現する為に準備すること。 - くろねこくぅまんの乳がんになったので

かんたんな形成外科的術式説明してます。

乳房再建の術式説明中に突然聞かされた乳輪乳頭再建のこと。 - くろねこくぅまんの乳がんになったので